ここではレセコンの導入を検討している歯科医院向けに、知っておくと役に立つ基礎知識をまとめました。機能や操作性、導入費用など選ぶ際に注目すべきポイントや電子カルテとの違いについても解説しています。
歯科用レセコンの選び方
歯科用レセコンを選ぶ際にチェックしておきたいポイントは、機能・ユーザビリティ・セキュリティ・サポート体制・コストです。搭載されている機能が価格に見合っているか、事務スタッフが操作に手間取らないかなどを確認。また、セキュリティやサポート体制はトラブル発生時の対応も含め安全性確保の点で重要です。
歯科用レセコンの機能
歯科用レセコンはレセプト作成がメイン機能ですが、それ以外は受付業務、治療、経営それぞれに必要な機能に分けられます。受付業務では患者管理・予約管理、日計表、会計の機能、治療においてはカルテ作成や情報提供文書などで活用が可能。また経営分析や予約解析など新患数増や売上アップに役立つ機能もあります。
歯科用レセコンの導入費用
歯科用レセコンはメーカーごとに提供形態やプラン、搭載機能などに違いがあるため、安いものから高いものまでピンキリです。どれもレセプト作成の基本機能はしっかり搭載されており、安いから劣るということはありません。ただしあまりにも安すぎる場合はセキュリティや機能面で不安が残るため、要チェックです。
歯科用レセコンの操作性
どれほど多くの機能が搭載されていても、それを知らなかったり操作方法がよくわからずに、活用しなければ宝の持ち腐れです。まず自分の手で触ってみることが大切で、レセプト業務の流れに沿って操作し、レセプト作成以外に何ができるかもチェックします。失敗を避けるためには導入前にデモ閲覧やお試し期間の活用がおすすめです。
オンプレミス型とクラウド型レセコンの違い
レセコンにはオンプレミス型とクラウド型があります。オンプレミス型は院内にサーバー・ネットワークなどを構築し、データの保存・管理を行うもの。クラウド型は外部のクラウドサーバー上でデータ保管やシステムの管理・運用を行います。オンプレミス型はカスタマイズ性が高くクラウド型は低コストなのがメリットです。
レセコンと電子カルテとの違い
レセコンとはレセプト(診療報酬明細書)を作成するコンピュータのことを指します。電子カルテは従来の紙のカルテを電子データに置き換えたものです。両者の違いは用途と使用する人です。レセコンは会計情報を管理し、事務スタッフや会計士が使用しますが、電子カルテは医療情報を管理するもので主に医師が使用します。
歯科が使えるIT導入補助金とは
IT導入補助金は中小企業や歯科医院の業務効率化を支援する制度であり、治療履歴の管理やオンライン予約システムの導入など、さまざまなITツールの導入が対象です。申請にはIT導入支援事業者とのパートナーシップが必要で、補助対象としてはレセコンなどが挙げられます。申請要件を満たし、事業実施効果を報告することで補助金が交付されます。
レセコン一体型電子カルテ・レセコン分離型電子カルテとは?
レセコン一体型電子カルテとレセコン分離型電子カルテの違いは、何と言っても2つのシステムが連携しているかが挙げられます。そのほかにも、操作性や費用といった面で違いがあるため、どちらを導入するか迷っている人は必見です。
レセコン一体型電子カルテ・レセコン分離型電子カルテについて詳しく見る
歯科レセコンの使い方
歯科レセコンの導入を考えている人の中には、「操作が難しいのでは…?」などの不安を抱えている方もいるかもしれません。レセコンにはさまざまな機能があるうえ操作も簡単なので、ポイントさえ押さえておけば業務効率アップなどの役に立ちます。
歯科用レセコンのレセプト点検機能について
レセプト点検とは、レセプトを点検する業務のことです。レセプトに不備があると、返戻対応による手間や請求漏れなどが発生します。レセプト点検機能がある歯科用レセコンを選択することで業務効率化につながるでしょう。
歯科用レセコンの予約管理機能について
予約管理システムは、予約の管理をはじめメールの送信など歯科受付業務の幅広いサポートを行うことができます。歯科用レセコンにも予約管理機能が付いている場合がありますが、必要最低限しか機能がないため注意しましょう。
2028年の診療明細書完全義務化とは?
現在は、正当な理由がある場合にかぎり、免除されることになっている診療明細書の無料発行。ただし、医療DXの推進が本格化しつつあるなか、2028年度以降に、明細書無料発行が完全に義務化される可能性が高まっています。
マイナンバーカードリーダーの設置は必要?
レセコンを導入する際、マイナンバーカードリーダーも一緒に設置することで、業務負担の軽減や機器の連動などが可能となります。従来の本人確認方法と比較して安全性も高く、将来的にマイナンバーカードリーダーの導入率は上がると考えられます。
レセプトのオンライン請求の義務化とは?
令和5年3月より、レセプトの請求を紙媒体からオンラインへ移行する動きがスタートしています。法的に義務化されたわけではないものの、導入によってさまざまなメリットを得られるため、検討して損はないでしょう。
オンラインでレセプトの返戻再請求を行うには?
レセプト返戻とは作成したレセプトの請求が差し戻しされることで、その後あらためて請求を行うことを返戻再請求といいます。オンラインでレセプト返戻を行うと、データの一元管理ができるなどのメリットがあります。
オンラインでレセプトの月遅れ請求を行うには?
レセプトの月遅れ請求とは、請求するはずだったレセプトを翌々月に請求することです。オンラインで月遅れ請求を行うと、医療機関の間で情報を共有できる、医療費の不正請求防止のために使える、紛失しにくいなどのメリットがあります。