2028年の診療明細書完全義務化とは?

目次

このページでは、診療明細書の完全義務化への流れについて、分かりやすく解説しています。義務化の概要や標準型レセコンの導入タイミング、さらに患者側の意識などについてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

2028年の診療明細書の義務化について

今現在、一部の医療機関では診療明細書発行の義務が免除されています。けれども厚生労働省で2028年以降に標準型レセコンを提供する案が出ており、その提供を目処にその義務免除規定が廃止される見込みが高くなっています。

廃止された場合には、すべての医療機関に対して、患者さんに無料で診療明細書を発行することが義務付けられます。

参照:m3.com|明細書無料発行、2028年度以降に完全義務化へ (https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1181067)

標準型レセコンとは

医療DXを推し進めていくための取り組みでのひとつである「診療報酬改定DX」。2026年度には、間接コストをできるだけ小さくすこと、そして情報の標準化および効率化の実現のために、医療機関などのシステムに対して、より抜本的な改革を行うとしています。

その際に、医療機関に提供される予定になっている物のひとつに「標準型レセコン」があります。標準型レセコンとは、共通算定モジュールなどが実装されたシステムのことです。

参照:厚生労働省|診療報酬改定DX対応方針(案)(※PDF) (https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001091070.pdf)

レセコン導入は2028年まで待つべき?

標準型レセコンの提供が実際に行われるかどうかは、まだ確定していません。現在は、そのような案が出されている段階です。そのため、案が撤回されたり、提供が2028年までに実施されなかったりする可能性も否定できないのです。

そのような場合、導入を見合わせていた医療機関では、明細書発行機能が搭載されたレセコンを、あわてて導入せざるを得なくなるかもしれません。あわてて選んでしまうと、使い勝手のあまり良くないレセコンを選んでしまうリスクもあるでしょう。そういった事態になるのを避けるためにも、ゆとりをもって自院に合うレセコンを比較検討しておくことをおすすめします。

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2024年時点の診療明細書発行の義務について

原則的にはすでに義務化されている

患者さんから費用の支払を受ける際に、医療機関は費用ごとに分けて記載した診療明細書を無料で発行しなければならない、ということが法律で定められています。簡易なレシートではなく、所定の様式による診療明細書でなくてはなりません。

義務が免除される条件

診療明細書の発行は、原則的にすでに医療機関に義務付けられていることは、上述のとおりです。ただし、正当な理由がある場合には、義務の免除を受けられることもあります。免除されるのは、次のような条件に該当する医療機関です。

  • 明細書発行機能が搭載されていないレセコンを使用している
  • 明細書の発行に対応していない自動入金機を使用している など

参照:厚生労働省|明細書の無料発行義務化について(※PDF) (https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qwts-att/2r9852000001qwyd.pdf)

診療明細書発行に関する患者側の意識

診療明細書発行の義務が免除されている医療機関が一部あることについて、患者側はどのように感じているのでしょうか。

この状況について1,000名に対してアンケートを実施し、回答を得る調査がおこなわれました。すると、約56%の方が、医療機関によって発行されない場合があるのはおかしい、と回答したのです。さらにその中で、受け取った診療明細書を活用している人にしぼって見てみると、おかしさを感じている方は約69%にものぼることが分かったのです。

こういった調査結果をふまえると、多くの患者のニーズに応えるためには、やはり診療明細書を発行することが重要であることがわかります。ですから、発行の義務を免除されている医院やクリニックであっても、診療明細書の発行は、充分に検討すべき問題であるといえます。

参照:日本労働組合総連合会|診療明細書に関する患者調査2020(※PDF) (https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20200311.pdf?35)

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