ITツールなどを利用し、経営の考え方や取り組み方を土台から変えるDX。今や国策の1つとしてDX推進が加速していますが、クリニックもまた、世の中のDXの流れに置いて行かれないよう取り組むことが重要です。DXに向けた取り組みの中から、ここではキャッシュレス決済の導入について解説します。
キャッシュレス化は国策で進む
国は、DX実現に向けた取り組みの一環として、対価の支払い方法におけるキャッシュレス決済を推進しています。
キャッシュレス決済とは、商品やサービスへの対価を現金ではなく、クレジットカードや電子マネーなど、現金払い以外の方法で支払う方法のこと。経済産業省では、日本におけるキャッシュレス化の比率の実績を次のように公表しています。
- 2010年…13.2%
- 2015年…18.2%
- 2020年…29.7%
- 2022年…36.0%
国では「2025年までに決済の40%」をキャッシュレス化にすることを目標に掲げていますが、この推移を見れば目標達成が現実的であることも分かります。
キャッシュレス化のメリット
歯科医院がキャッシュレス化を導入する主なメリットを見てみましょう。
接触機会が減ることででウイルス感染予防につながる
現金決済に比べてキャッシュレス決済のほうが、患者とスタッフの接触時間や接触機会が減少。接触が減る分、新型コロナやインフルエンザ等のウイルス感染予防につながります。医療機関、とりわけ歯科医院にとって、院内感染予防は極めて大事な取り組みです。
手持ちの現金で治療費が不足する不安がなくなる
自由診療などを受けた患者の中には、手持ちの現金で治療費が足りるかどうか不安になる方も少なくありません。キャッシュレス決済を導入すれば、会計に向けた患者の心理的負担が軽減します。
会計の待ち時間が削減される
会計の待ち時間の長さは、その歯科医院の評判を大きく左右する要素。「先生は上手だが、会計などの待ち時間が長いから別の歯医者さんに変えた」という声は、よく耳にします。キャッシュレス化を導入すれば、会計の待ち時間の削減につながり、患者のストレスが軽減します。
事務的な業務が軽減する
キャッシュレス決済を導入することで、金銭の授受に関わる時間やレジ締めなどに要する時間が削減されるなど、スタッフの事務的な作業が軽減。業務負担が軽くなれば、長い目で見たときの定着率向上にもつながるのではないでしょうか。
キャッシュレス決済とレセコンを連動させたツールもあり
一部高齢者などのために現金払いをなくすべきではありませんが、キャッシュレス決済を並行導入することに関し、クリニック側にも患者側にも大きなデメリットはありません。
昨今ではキャッシュレス決済が可能なクラウド型レセコンも登場しているため、ぜひ導入を前向きに検討してみましょう。