ここでは歯科用レセコンを導入する際に注意したい、オンプレミス型とクラウド型の違いについてまとめました。それぞれのデータ保存・管理の仕組みやどのようなメリット・デメリットがあるのかをご紹介します。
オンプレミス型の特徴とメリット・デメリット
特徴
オンプレミス型のレセコンは院内にサーバー・ネットワークなどのインフラを整備し、データの保存や管理を行います。現在のようにインターネット環境が整備される以前は、この方法による情報システム構築が一般的でした。クラウド型の登場により、区別するためにオンプレミス型という言葉が使われるようになりました。
メリット・デメリット
オンプレミス型のメリットはシステムをカスタマイズする自由度が高く、他の業務システムと連動しやすいことです。また内部ネットワークのみで運用が完結するため、情報漏洩のリスクが低くセキュリティ面で安心できます。
デメリットは初期費用が高くなることです。サーバーや各種ネットワーク機器を院内に設置しなければならないため高額な設備費用がかかります。またシステム稼働後もメンテナンスや保守費用などが継続的に発生します。
障害対応も含めて情報システムの管理は院内で行うことが基本で、規模によっては専門の管理者が必要になります。またシステムの設計から開発、テストまで一から行うことになるため完成するまでに時間がかかります。
クラウド型の特徴とメリット・デメリット
特徴
クラウド型のレセコンはインターネット上のクラウドサーバーでデータ保管やシステムの管理・運用を行います。オンプレミス型のように院内にサーバーやネットワーク機器を設置する必要はありません。クラウドとはインターネットを経由して提供されるサービスで、外部のネットワークを雲の図で表現していたことに由来します。
メリット・デメリット
クラウド型のメリットは院内に設備を必要としないため導入コストを低く抑えられ、利用開始までの時間も短くて済むことです。またシステムやデータはすべてクラウド上にあるため保守・メンテナンスの手間もかかりません。
デメリットはクラウド事業者が提供するサービスの範囲内でレセコンを利用することになるため、あらかじめ用意されたオプション機能の追加はできても、オンプレミス型のように自由にシステムをカスタマイズできない点です。
またクラウド型はインターネット環境があれば、場所を選ばずどこでもシステムにアクセスができるメリットがありますが、ネット環境に左右されやすく回線が遮断されてしまうと利用が難しくなるという側面もあります。