レセプトのオンライン請求について、請求移行のメリットや義務化についてまとめています。レセコン導入を考えている人は参考にしてみてください。
オンライン請求システムとは
オンライン請求システムとは、保険対象のクリニックや薬局、保険者間で、レセプト電算処理システムでの診療報酬などの請求データをオンラインで受け渡すためのシステムです。オンライン請求システムを利用するためのネットワークやソフトウェアの構築といった周辺環境は、国保中央会ならびに支払基金が共同で基盤整備を実施しています。
なお、使用する通信回線やセキュリティ対策は、あらかじめ複数のパターンが用意されており、その中から適した方法を選択します。
オンライン請求の義務化とは
厚生労働省は、令和5年3月22日の社会保障審議会にて、紙や光ディスクを利用した請求を行う医療機関に対し、オンライン請求へ移行するためのロードマップ案を提示しています。移行期限は令和6年9月末です。ただし、こちらは法的な義務化ではなく、あくまでも実質義務化として計画案を示しているという状況です。
※紙のみで送付される返戻レセプトについては、令和6年10月以降も引き続き紙による返戻再請求を行うこととなります。
レセプトのオンライン請求移行のメリット
オンライン請求への移行は、紙媒体などで請求を行うよりも受付時間の大幅延長が可能です。土日祝日なども関係なくいつでも提出できるため、事務作業などの負担軽減につながるでしょう。
また、ASPサービスの利用によって記録のエラーを事前に確認しておけば、訂正・再提出がスムーズになります。ASPでは、患者さんの氏名の記入漏れや保険者番号の抜け、コメントでの外字の入り込みや年号の記録ミスなどが含まれるため、返戻レセプトを減らすことが可能です。
レセプトのオンライン請求の流れ
オンライン請求の流れとして、最初にレセプト電算処理システムを利用して作った請求データを、国民健康保険団体連合会へ送ります。国民健康保険団体連合会は受信したデータをもとに事務処理を実施。処理が完了した増減点連絡書データは、Webサーバーから保険医療機関や保険薬局に提供されます。
オンライン請求を行うには、レセプト電算処理システムの導入が絶対条件です。業務負担を軽くするためにも、ぜひシステムの導入を検討してみてください。
レセプトのオンライン請求の手続き
オンライン請求を始めるには、まず審査支払期間へ届出を行わなければなりません。オンライン請求の設定ツールは、毎月20日までに手続きを行うことで翌月15日までに送付されます。
設定ツールが届いたら、次に設定作業と電子証明書のダウンロードを行いましょう。これらが終わり次第、インターネット接続が可能かをチェックします。問題なく接続できれば、届出の2ヶ月後からオンライン請求を始められるでしょう。
レセコンメーカーに相談はできる?
オンライン請求をスタートしてしばらくは、操作に不安を抱く人も多いでしょう。そんな時に頼れるパートナーとなってくれるのがレセコンメーカーです。ただし、どのようなサポートを実施しているかは、レセコンメーカーによって異なります。そのため、あらかじめ利用しているメーカーのサポート内容を確認しておくのが重要です。
また、デジタルマニュアルや動画による解説など、役立つ情報があるかのチェックも忘れずに行いましょう。