このページでは、歯科レセコンの使い方や機能などをまとめています。導入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
レセコンの機能・使い方について
レセプトの作成
レセコンを利用すれば、レセプト(診療報酬明細書)が簡単に作れます。診療内容など必要な情報を入力すれば自動で計算が実行され、レセプトが作られるというシステムです。なお、レセプトには、患者氏名といった個人情報はもちろん、医療機関名や治療内容なども記載されます。
紙媒体で行っていた記入・印刷にかかる手間が省けるので、業務効率アップが期待できるでしょう。また、手書きによるヒューマンエラーの防止にもつながるのも嬉しいポイントです。
また、作成したレセプトはオンライン請求ができます。そのため、郵送提出に起こりやすい紛失やご配送の回避にも役立つでしょう。
入力データの自動チェック
レセプト業務において最も重要となる入力データのチェックも、レセコンなら自動で実行可能です。これまで別ソフトでレセプトチェックをしていた歯科医院も、自動チェック機能を搭載したレセコンを利用することで、情報処理にかかる時間を削減できるでしょう。
しかも、レセコンは算定項目や保険・公費の入力ミスなどをスピーディーに点検できるため、問題があった場合はすぐに修正できます。
処方箋の発行
歯科医院では、根管治療などを行った場合に鎮痛剤などを処方する場合があります。レセコンは処方箋の発行にも対応しており、会計時に診療明細書とともに処方箋を渡せるのはこのシステムを使用しているからです。
使用する電子カルテによっては、特定の処置を行った後に処方する薬剤の登録もできるため、ワンクリックでレセプトに反映できるなど利便性にも長けています。
請求業務の管理
レセプトは毎月1件、患者ごとにまとめて毎月請求するのが一般的です。その月に歯科医院で治療を受けたすべての患者が対象となるため、請求業務の進捗や過誤、記入漏れなどのチェックを人の目だけで行うのには膨大な時間が必要となってしまいます。
その点、レセコンは請求業務におけるほとんどの作業を自動化できるうえ、経営分歴レポートまで作成できるケースが多いです。レセプトの作成とともに経営課題の洗い出しもできるため、導入して損はないでしょう。
歯科レセコン入力のポイント
保険診療の算定のルールを覚える
保険診療には決まった算定方法があり、歯科医院はそれに則って治療を実施しなければなりません。具体的に、歯周病におけるスケーリングは、歯周ポケット検査を行ってからでないと治療を開始できないでしょう。また、治療範囲も「1度に全顎の除去はできない」などのルールがあります。
このような保険診療の算定方法はレセコンにもシステムとして搭載されており、登録されていない算定方法の場合はスムーズな入力ができません。ほとんどの診療は算定方法とセットとなっているため、基本的には画面に表示された通りに入力できます。また、入力内容に誤りがある場合は、エラーが表示されるので安心です。
とはいえ、レセコンを使いこなすにはある程度治療の流れを理解している必要があるので、保険診療の算定のルールを覚えておきましょう。
治療箇所に誤りがないか確認すること
レセコンはデータの入力漏れやミスの確認が得意な反面、入力された治療箇所や病名の真偽判断はできません。そのため、入力した部位が治療されている場所で間違いないか、病名に誤りはないか、という点は人の目で確認する必要があります。
歯科治療は1回で終わらないことがほとんどで、数週間から1年近く治療を行うケースも存在するため、入力ミスは治療に大きな影響を与える可能性があるでしょう。特に、根管治療は部位を間違えると致命的な事態を招くので、細心の注意を払わなければなりません。
疑い病名や摘要欄を有効活用する
初診の場合、レントゲンの撮影や投薬のみで様子を見るケースがあります。次回以降の治療が不明な段階で病名を断定すると、万が一違う病名だった時の訂正が面倒になるため注意が必要です。このような場合では、病名の後ろに「疑い」とつけておきます。疑い病名を付けておけば、仮に病名が変更になっても初診時の情報を訂正する必要がないので、そのままレセプトを提出可能です。
なお、病名が変更になった際は、摘要として変更理由を記載しておけば返戻になる可能性は低くなるでしょう。
国保と社保の違いを理解しておく
国保と社保を比較した場合、社保の方が査定が厳しいためレセプトチェックも細かく行う必要があります。一方で、国保は大きなミスさえなければ返戻とならず、もしもミスがあった場合でも電話口で完結することが多いです。もちろん、どちらもしっかり把握しておくのが大切ですが、それぞれの違いを理解しておくと便利でしょう。