レセプトとは診療報酬明細書のこと。ここでは、歯科用レセコンのレセプト点検の注意点やポイントなどについて紹介します。
レセプト点検とは
レセプトとは診療報酬明細書のことで、レセプト点検はレセプトを点検する業務のことです。医療機関を受診すると、診療や投薬、手術などさまざまな医療行為を受けます。それぞれの医療行為には全国統一の点数が付けられていて、受診した医療行為ごとに点数を計算します。
その点数を集計して、レセプトを作成。自己負担分は患者さんに、それ以外は保険組合などに請求します。そのレセプトの内容を点検する仕事が、レセプト点検です。
レセプト点検の注意点
返戻対応による手間や請求漏れ
レセプトが返戻される理由は、患者さんの氏名や被保険者番号などを間違える業務処理上の不備や、病名や診療部位の記載ミスによる診療内容の疑義照会などです。
しっかり確認しないと点検の二度手間になったり入金が遅れたり、歯科医院の収入にも関わってくる可能性があるので気をつける必要があります。月ごとのチェックはもちろん、毎日の業務の中で入力ミスがないかの確認を徹底すれば、返戻を防ぐことにつながるでしょう。
保険医療機関における指導や監査の強化
厚生局は保健医療機関の指導や監査を強化しています。令和4年度における医療機関の個別指導件数は医科545件、歯科533件です。一方、令和4年10月の診療所数は医科が105,182件、歯科診療所が67,755件。
個別指導件数を診療所数で割ると医科は0.5%、歯科は0.75%となり、個別指導が入る割合は医科より歯科の方が多い現状があります。また、レセプトの不正や著しい不当があると監査が入り、場合によっては厳しい処分を受ける恐れがあることも理解しておきましょう。
レセプト点検のポイント
レセコンのエラー内容を都度チェック
レセコンシステムには保険点数や算定ルールが組み込まれているため、ルールに違反しているとエラーが発生します。エラーが発生した際はメッセージを無視せずしっかり内容を確認し、都度入力内容を訂正するようにしましょう。
小さな見落としの積み重ねが月次チェックでの大量訂正や返戻につながるため、普段から気を付けることが大切です。
病名と治療部位が正しいかをチェック
レセプトのミスの代表的なものに、病名や治療部位の誤入力があります。歯科治療は長い期間かかることも多く、病名や治療部位が間違っていると訂正に大変な手間がかかってしまうため注意が必要です。
また、治療の過程が複雑になるとミスが生じやすくなります。根管治療などで治療が長引くときや、並行していくつかの治療を同時に進めているときには特に注意が必要です。
過剰請求になっていないかをチェック
レセプト点検のときには、過剰請求になっていないかのチェックもしましょう。自費診療にもかかわらず再診料を算定していたり、同日・同月算定不可のものを請求していたりすると、過剰請求になるので注意が必要です。
また、歯周組織検査や歯周治療、うがい薬の処方など歯科医学的に必要に乏しいと思われる処置があった場合は、個別指導で指摘される可能性があります。
レセプト点検機能のある主な歯科用レセコンは?
Dentis(メドレー)
レセプトチェックに対応。カルテ作成時のリアルタイムチェックのほか、月次にまとめてチェックすることも可能です。
Medicom-HRf core(ウィーメックス)
カルテ入力時に、リアルタイムでレセプトの自動チェックを行う機能が搭載。不明点やミスがあればその場で修正可能なため、後からチェックする必要はありません。レセプト点検の後のエラーリスト一覧表示にも対応しています。