POSレジとレセコンを連動させることで、会計ミスの防止や管理負担の軽減などが可能になるので、業務効率アップを実現しやすくなります。けれども、だからといってレセコン連動可能なPOSレジの導入を即決するのではなく、デメリットについても充分に考えておくことが大切です。
POSレジについて
POSシステムとは、日々の売り上げデータなどを一元的に管理できるシステムのことです。そのシステムが導入されているPOSレジを使えば、さまざまなデータの処理や分析を簡単に行えるようになります。
キャッシュレジスターとの相違点
POSレジと混同しやすいものとして、キャッシュレジスターが挙げられます。両者の大きな相違点は、ほとんどのキャッシュレジスターは、売上金の登録やお金の収納はできても、データ分析には対応していないという点です。その分、導入費用については安くおさえることができます。
POSレジをレセコンに連動させるメリット
会計上のミスが起こりにくくなる
医療機関では、医療費の計上を行うとき、電子カルテやレセコンを使用します。その際、レセコンとPOSレジが連動していないと、レセコンで出力した請求データを手動でレジに取り込まねばなりません。その結果、どうしても会計ミスが発生しやすくなるのです。
レセコンとPOSレジが連動していれば、請求データが自動的に取り込まれるので、より正確に会計を行うことができます。
キャッシュレス化にも柔軟に対応できる
ほとんどのPOSレジはキャッシュレス決済に対応しているので、キャッシュレス決済へのニーズが高まっている医療機関においても、重宝するでしょう。
未収金の管理業務負担を軽減できる
医療機関では、患者さんが支払うことができなかった医療費を、一時的に未収金として処理する場合があります。診療をした後に請求金額が決まる仕組みになっているので、特に緊急時などは、手持ちのお金では払いきれないケースも珍しくないのです。
未収金が発生すると、その管理負担も重くなります。けれども、レセコンと連動させたPOSレジがあれば、搭載されている顧客管理機能を利用して、それぞれの患者さんの詳細データを記録できるため、管理が楽になるわけです。未収金の回収を忘れるリスクもおさえられます。
デメリットはある?
導入コスト・運用コストがかかる
POSレジを購入することで、端末・システムの料金や設置費用などの導入コストだけでなく、運用コストもかかります。運用コストというのは、システムの更新に必要な費用や保守のためのメンテナンス費用などのことです。忘れずに予算に組み込んでおきましょう。
停電時には操作できなくなってしまう
POSレジを利用する際には、電力を使います。ですから、停電時にはPOSレジのシステムも停止してしまうわけです。また、キャッシュドロアを開けられなくなるので、会計業務にも支障がでます。緊急時にあわてないようにするためにも、緊急用の現金を準備しておくようにしましょう。また、緊急時対策のひとつとして、蓄電池を導入することについても検討してみてください。
歯科医院はPOSレジも導入するべき?
POSレジは、会計業務や未収金の処理業務をサポートしてくれる機器です。人手不足により、そういった業務の負担が重くなっているクリニックには、特におすすめです。
ただし、会計業務を問題なくこなせているクリニックにとっては、必須の機器であるとまでは言えません。また、費用負担やスタッフが操作を覚えるまで一定の時間がかかるなどの問題点もあるので、開業したばかりであまりゆとりのないクリニックなどには、おすすめしにくい機器でもあります。